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豊橋創造大学との連携事業


豊橋創造大学との連携・協力に基づく取組の一環として、当院の佐野院長が学生からインタビューを受けました

豊橋創造大学短期大学部キャリアプランニング科の学生5名が来院し、佐野院長がインタビューを受けました。

1.豊川市民病院の特徴

Q.院長が考える豊川市民病院の特徴は何か教えてください。

インタビューの様子

「市民病院」という名前なので、まずは市民のための、市民の健康を支える病院と考えています。また、当院は豊川市だけではなく東三河地域の基幹病院の一つと位置付けられますので、救急の患者さんや救急車の受入れといったいわゆる救命救急にはしっかり対応する必要があります。最後の砦としての三次救急医療機関になっています。
一方で、内科や外科、産婦人科、小児科といった一般的な幅広い診療科だけではなく、血液の疾患、膠原病やアレルギーの対応といったより高度、専門的な診療を要する患者さんにも対応できる体制をとっています。
また、愛知県のがん診療拠点病院の指定を受けていますので、がん診療もしっかりやっていくといった役割もあります。
最近ひどい水害※がありましたが、地域中核災害拠点病院として東三河地区にいざ何か起こったときに診療の受け皿になるといった指定も受けています。
あらゆる面でこの地域の医療を支える役割を担っています。
※令和5年6月2日に発生した台風に伴う大雨により、豊川市では車両の冠水や住宅の浸水などの被害が発生しました。

2.豊川市民病院はどんな病院

Q.入院・外来患者数や病床数はどのくらいの規模ですか。
病床数は501床です。一般病棟は428床、精神科の病棟は65床、結核病棟は8床あり、これらを足して501床です。
令和4年度の実績では、入院患者数は1日当たり404人、外来患者数は1,141人です。年間では、入院延べ件数は147,480人で、外来は277,251人です。
Q.豊川市民病院は三次救急医療機関に指定されているとのことですが、具体的にどういったことをしていますか。
例えば、救急の程度が軽いと思われる疾患のときは休日夜間急病診療所で、さらに高度な治療が必要なときは二次救急医療機関で受入れします。大きな交通事故による多発性外傷や、脳梗塞、心筋梗塞等すぐに命に関わる状態で、二次救急医療機関では対応できない高度な救命の措置が必要といった患者さんを当院で受け入れています。24時間365日休みなく対応する救命救急センターの役割を担っている医療機関です。
Q.救命救急センターとは、どのような役割を担っている機関ですか。

救急センター

重篤な救急患者に対し、救命の措置を行う、24時間365日休むことなく高度な医療を総合的に提供する体制をとっている施設のことです。
東三河地区では、当院と豊橋市民病院の二つになります。
重症の患者さんで緊急手術が必要といった状況に対応するために、CTやMRIなどの高度医療機器の全てを24時間稼働させられるよう、放射線技師等の技術職員や看護師、事務職員が待機していて即応できる体制の診療が救急救命センターと思っていただくと分かりやすいと思います。
Q.救命救急センターでは、1日どのぐらいの人が搬送されていますか。
救急車の受入れが年間約6,000件、自ら来院される方を含めると人数は年間約17,000人で、1日平均約46人です。
Q.豊川市民病院では高度な治療を行っているとお聞きしましたが、どういったことができるのですか。
一例ですが、ダヴィンチシステムといわれるロボット支援による手術を行っています。
傷が小さく術後の回復が早いため患者さんの身体的負担を少しでも軽減させることができるという利点を活かし、外科だけでなく産婦人科や泌尿器科でも導入し、手術を受けていただいています。
また、がん以外の病気でない部分にダメージが及んでしまうのを極力避けるため、トモセラピーというコンピューターで病変の所だけに放射線の照射を行える最新の治療機器を導入して、積極的に治療を行っています。
Q.豊川市民病院はがん診療拠点病院の指定をされているとのことですが、具体的にどういった役割を担っているのでしょうか。

インタビューの様子

いわゆる5大がんといわれる肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、肝がんに対しては、地域の先生方と一緒に診るようなシステムを使い、手術後、状況が安定したときに、かかりつけの先生と共同で、連携して診療をしています。
若い方もがんになることがありますので、若い方がいかに働きながら日常生活を維持しながら治療できるかといったがんに対する就労支援を行う窓口を設け、社会保険労務士の方にも入っていただきながら相談に応じています。
また、患者さんご本人はもちろんですが、ご家族の方の心の支え、ケアも行っていく、患者さんの治療だけでなく家族も含めたがんの治療に対する支援を行う役割を担っています。
Q.他の病院からの紹介状を持って来る患者さんだけなく、一般の患者さんも受け入れているのでしょうか。
一般の患者さんも受け入れています。ただ、紹介状を持たずにそのまま初診でかかると、普通に診察するだけで7,700円の初診時選定療養費※がかかってしまい、診療費用と合わせると負担額が1万円を超えてしまう可能性が高いです。
もちろん診察はできますが、外来の受付時間が午前11時までということもありますので、できればかかりつけの先生に一度診ていただいて、そこから紹介していただく方が患者さんにとって望ましいと思います。
※初診時に他の医療機関の紹介状がないと、医療費とは別に医科で7,700円、歯科で5,500円が必要となります。

3.災害への備え

Q.地域中核災害拠点病院とは、どのような病院ですか。
災害医療機関を支援する機能を有し、また重症・重篤な傷病者を受け入れるなど、災害時の医療救護活動において中心的な役割を担う病院です。
当院は、建物が災害に強い免震構造になっていて、大きな震災が来ても病院機能を果たすことができるようになっています。
患者さんや職員用の食料や水の備蓄が約3日間分あります。薬剤や診療に必要なものも約1週間分の備蓄があります。
給電システムは1系統だけでなく2系統から電力供給を受けており、停電に備えて自家発電で電力を補う設備もあります。不測の事態に対応できる体制になっています。
Q.先日、豪雨がありましたが、そのようなことが起こった際の備えはどのようになっていますか。
今回の水害に関しては、私たちがあまり想定していないいわゆる内水氾濫が起こったとのことです。台風が来るとか予測ができると準備がある程度できると思いますが、今回のような一部地域へのゲリラ豪雨に関しては十分な対応ができていないと感じました。
今回のことを受けて、今までに作ってある災害に関するマニュアルを見直して、あらゆる災害に対応できるようにしようと考えているところです。
Q.災害時にはどのような対応になりますか。一般診療はお休みですか。
災害の規模によりどこまでやれるかは分かりませんが、地域の中核病院なので一般診療を続けるのが基本になります。他で診療できないので市民病院で何とか診療してほしい、といったようなことが出てくる可能性があります。
また、震度4レベル以上になると幹部職員が全員参集というマニュアルに沿った対応になります。非常に大きな災害になると、多数の患者の収容要請を受け、トリアージも必要になるかもしれません。
この2、3年はコロナによりたくさんの人が集まって災害の訓練をすることが非常に難しい状況でしたので、机上での訓練が主体になっていました。やはり常々準備をしていることが大事だと考えていますので、引き続きしっかり災害への備えをやっていきます。

4.市民病院で働く職員

Q.豊川市民病院では多くの人が働かれていると思いますが、どのくらいの職員数で運営されているでしょうか。
令和5年3月31日時点で、常勤で845人、非常勤で314人が職員として働いているので、合計で約1,200人です。そこに清掃や受付などの委託先のスタッフの方も加えると、約1,300人が病院の中で働いています。
Q.豊川市民病院では職員のキャリアアップなどはどのように行っていますか。
他の病院にない当院の特徴として、院長直属の組織でキャリア支援センターという独自の部門があります。医師だけでなく看護師や他の職員がキャリアアップするため、色々な研修に行ったり、資格を取ったり、病院としてサポートする専属の部門を設けているところが特徴です。
Q.事務職についてどのような印象をお持ちでしょうか。

インタビューの様子

病院は医師や看護師が前面に出てくるようなイメージが強いと思いますが、実は医療職が働きやすい環境を作っているのは事務の支えやサポートがあってのことで、非常に大きな役割を果たしていただいていると考えています。
医師の診療を円滑に進めるために、事務職の人達がうまく連携してくれ、また、医師や看護師といった専門の職員が専門の仕事をやりやすいようにするために、専門以外のところをうまく繋いでくれています。その仕事はすごく大事で、事務職員は非常に大きな役割を果たしていると私自身は感じています。

5.インタビューを終えて

Q.学生A
事務職の印象に関するお話は、これから働く就職先でのモチベーションに繋がりました。先生方のお役に少しでも立つことができるように努力し続けたいと思いました。
Q.学生B
大きな交通事故や脳梗塞、心筋梗塞など、命に係わる処置が必要な際に24時間365日休まず対応できる救急救命センターがあるのは豊川市では豊川市民病院だけだとは知りませんでした。緊急手術に対応できるように高度医療機器や事務職員の方も24時間待機していると聞き、豊川市民としてとても安心できると思いました。
Q.学生C
医療職の方々が働きやすい環境を作っているのは事務の支えやサポートがあってのこととの言葉を聞いて、より医療事務職員になりたいと思いました。
Q.学生D
入院患者数は1日当たり404人、外来患者数は1,141人と知り、多くの患者数の対応をしていることに驚きました。
Q.学生E
救命救急センター、がん診療拠点病院などあんまり聞き慣れない内容を学べました。
Q.学生F
院長直属のキャリア支援センターという独自の組織があり、医師だけでなく看護師や他の職員のキャリアアップのため病院としてサポートしていると聞き驚きました。そのサポートが豊川市民病院の医療の質の向上と医療人の育成に繋がっていると思いました。